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みずむし・たむし(白癬)

水虫

みずむしは白癬菌やカンジダというカビの感染によって生じます。ゆびの間がかゆくなったり、じくじくしたりして、市販の塗り薬を買って使用しておられる方もたくさんいらっしゃると思います。一見水虫のように見えてもそうでない場合もたくさんあり、逆にご自身では全く気付かない状態で実は水虫だったということもあります。家族内感染も多いので注意が必要です。
水虫は家族の問題です。

われわれ皮膚科専門医でも見ただけ(視診)だけでは、水虫かどうかは判断できかねます。角質の一部を採取し、顕微鏡を用いて検査を行い(その日に結果は出ます)、水虫かどうかを診断いたします。その結果と皮膚の状態によりまして、外用薬を選択し治療を始めます。また完治させるためには外用方法が重要ですので皮膚科専門医で指導を受けられることをお勧めします。

爪水虫(爪白癬)

つめみずむし(爪白癬)は、爪の一部および全体が厚くなったり、濁ったり、もろくなったりします。こちらも適切な場所からの検査(顕微鏡で菌を確認する)をして診断をしっかりとしていきます。一見水虫のようで別の病気のこともあり、診断をきちんとしないと全く的外れな治療になってしまいます。皮膚科専門医でその検査は可能です。

治療は飲み薬(ネイリンカプセル・ラミシール錠・イトリゾールカプセル)が第1選択です。最近は3ヶ月の内服で治療自体が終了し、以前と比べると随分と治療期間が短縮されました。しかし患者様のおからだの状態、治療中の疾患、服用薬によりましては、内服治療ができない場合もございます。そのような方には最近は爪への浸透が高い外用薬(クレナフィン爪外用液・ルコナック爪外用液)もありますので、まず一度ご相談ください。

特に糖尿病を合併しておられる方は「たかが水虫」と侮らず、きちんと治療することが大切です。フットケアを行うことで蜂窩織炎(ほうかしきえん)や壊疽(えそ)などの合併症を予防することが期待できます。

体部白癬、股部白癬 (いんきんたむし、ぜにたむし)

手足と頭髪部を除く全身のうぶげのある皮膚に白癬菌というかびが寄生して皮膚病変を起こしたものをたむしといいます。

股部とその周辺、股、お尻、太ももなどに出来たたむしをいんきんたむしといいます。それ以外の場所に出来たたむしをぜにたむしといいます。いんきんたむしは正式には股部白癬(こぶはくせん)といいます。ぜにたむしは正式には体部白癬(たいぶはくせん)といいます。

症状

股部周辺に円形の赤い小さく盛り上がった発疹や膿疱が現れ、外に向かって拡大していきます。輪を描いたように辺縁が赤く盛り上がり、輪の中心は治っているかのように見える、特徴的な発疹がみられます。色素沈着のみで赤みがないものもあります。太ももの内側など、皮膚がこすれやすい部分を中心に発症しやすいです。

性器周辺や下腹部、臀部などへ広がることもあります。

強いかゆみを伴うことが多く、痛みを感じることもあります。

外用薬(塗り薬)のみで完治が難しい場合などには、抗真菌薬の内服治療が行われます。

股部白癬は水虫に次いで多い白癬で思春期以降から20代30代の若い男女に多く見られます。股とそのまわりは体温が高く発汗も多く下着で常時覆われていてかびが繁殖する条件がそろっていますから多く見られるのでしょう。

最近女性にも多くなっており、パンストやタイツなどの常用によるものではないかといわれています。感染のほとんどは家族内の水虫の人からと思われますが不特定多数の人が集まるスポ-ツセンタ-とかホテルや旅館の浴場のこしかけとか洋式トイレの便座なども感染源になります。体部白癬はそう多くは見られません。最近はペットの猫に接触する人が多く猫の白癬菌によるたむしが時々見られます。また格闘技愛好家で流行している体部白癬(トンズランス感染症:マット菌感染)もあります。

多発する場合は、糖尿病などの全身疾患がないか確認する必要もあります。

診断

白癬菌を顕微鏡で確認することが必要です。目で見ただけ(視診)ではいくら専門家でもわかりません。検査自体は痛みもなく、10分前後でわかりますので、簡単に行うことができます。この検査は皮膚科専門医であれば施行することができます。

治療

白癬菌が陽性の患者様にのみ、抗真菌外用剤を処方します。治療の期間は程度によりますが、1ヶ月~4ヶ月程度かかります。

股にできた場合は、間擦性の湿疹を併発していることもあり、一時的にステロイド外用剤を使用することもあります。たむしはみずむしのように再発しにくいので確実に治療すれば、根治させることができます。

とびひ (伝染性膿痂疹)

気温が上がって湿度も上昇するととびひが増える季節になります。
とびひとは子どもに多い皮膚の細菌感染症です。伝染性ですので、他の人にもうつる可能性があります。

とびひを予防するには、子どもの鼻腔内や手の爪の中に菌がいるため、

  1. 鼻をよくかむ
  2. 手を洗う
  3. 爪を短く切る

ということが大切です。

さらに原因となる黄色ブドウ球菌や溶連菌が侵入しないように皮膚のバリア機能を補強しなければなりません。
そのためには、

  1. ドライスキンを放置せず保湿剤を塗る
  2. 虫刺されや湿疹があればステロイド外用剤などで早く治す

ということが大切です。

おむつをしているお子さんの場合は、 オムツの中が高温多湿で皮膚が蒸れやすく、尿や便の成分による化学刺激やおむつ替えの時の機械的刺激などを受けてバリア機能が低下し、容易に皮膚炎を生じます。
そのためには、

  1. おむつ交換をこまめにする
  2. 拭くときはこすらずに洗い流す
  3. 拭いた後に保湿剤などを塗ってバリア機能を強化する

ということが大切です。

それでもなってしまった場合は、皮膚科を受診し、適切な治療とスキンケアのアドバイスを受けて治療しましょう。

治療

①まず、患部を石鹸で洗いましょう。しみない石鹸もご紹介できます。

②小範囲で軽症の場合は抗菌剤を塗ることで治療します。(アクアチムクリームやフシジンレオ軟膏など)

③多数の病変や、体のあちこちにあったり、頭にあると塗り薬に追加して抗菌剤の飲み薬を処方します。

④患部をガーゼやリント布などで覆うことが大切です。他の人にうつすことを防止し、自分の中で広がらないようにするためです。

とびひの時は水泳はできません。主治医が良いというまでは水泳を行うのはやめましょう。

注意:時々、MRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)などの薬剤耐性菌によりとびひになってしまった方がおられます。通常のペニシリン系・セフェム系の抗菌剤の効果が薄くしっかり治りきらないことがあります。当院ではなるべく細菌培養検査を行い、どんな菌が増殖し、どんな薬が効くかという薬剤感受性検査を行い、適切な薬剤を選択しております。

皮膚の学校感染症について

皮膚の学校感染症について2

 

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